「尾瀬に行かれるお客様へ」の記事一覧
尾瀬のしおり・・・4.尾瀬の歩き方
■木道の歩き方
・ 木道は原則的に右側通行です。木道以外に踏み出すのは 絶対にやめましょう。
・ 木道は雨や霜で濡れると、 滑りやすくなります。歩幅を狭く、靴底をぴったりつけて歩きましょう。
・ 長時間歩く場合は、歩幅を狭く、 同じリズムで足を運ぶよう心がけましょう。
・ 50分歩いたら10分程度の休憩をとる、 を目安に一定のリズムをくずさないようにしましょう。
・ 2時間以上歩く場合は、おやつを軽くとるなど栄養補給をしましょう。
・ 充分な水分補給をしましょう。
・ 尾瀬ヶ原は日差しをさえぎるものがありません。
夏場は特に、水分補給など体調管理に気を配りましょう。日焼け止めなどもあるとよいでしょう。
・ グループの場合は、一番足の遅い人のペースに合わせましょう。
■山道の歩き方
・ 登りは歩幅を平坦地よりさらに狭くして、段差を少なくしながら一歩一歩踏みしめて歩きましょう。
・ 30分歩いたら5分から10分程度の休憩をとる、を目安に一定のリズムをくずさないようにしましょう。
・ 下りは腰を落とし、膝のクッションを使って、 斜面に靴底全体をつけるようにゆっくり歩きましょう。
・ すれ違う場合、登りの人や重い荷物を持った人を優先しましょう。
・ 山道の事故は下りで起こることが多くあります。
疲れてくると特に注意力が散漫になったり、腰が高くなり足を滑らしたりしがちです。
余裕を持った行程を組み、事前に少し足慣らしをしておきましょう。
・ 至仏山の東面登山道(山の鼻~至仏山頂)は、植生保護のため、
また、蛇紋岩という滑りやすい岩がむき出しになっているため、こちらを登りにするルートが推奨されています。
また残雪期は、特に植生保護及び登山者の安全対策のため、登山道が閉鎖されています。
閉鎖期間は、積雪量などにより変更もあり得ますが、例年5月11日~6月30日です。
事前に尾瀬保護財団(http://www.oze-find.or.jp/)のHPなどで状況を確認してください。
入山可能時期も、午後になると霧や雷が発生しやすくなることもあり、午前9時までに入山するようにしてください。
(出典:東京電力「尾瀬への招待状」>尾瀬のしおり)
尾瀬のしおり・・・3.服装と基本装備について
繊細で優しい風景が特徴の尾瀬ですが、山岳地帯であることにかわりなく、
天候の急変や防寒などの備えを怠らないようにしましょう。
■靴
山で一番重要なのは靴、という人もいるくらい、靴は重要です。
主として尾瀬ヶ原や尾瀬沼周辺を歩く場合は、防水性のあるウォーキングシューズがよいでしょう。
靴は履き慣れたものがいいですが、木道は雨や霧で濡れると滑りやすいので、
靴底がつるつるになっていると危険です。
入山口の峠周辺には、砂利道などもあるので靴底が厚くしっかりしたもので、
くるぶしの上まで包み込んでいるほうが、歩くときに安定感があって疲れにくいです。
2000m級の燧ヶ岳や至仏山に登る場合は、足元のしっかりしたトレッキングシューズ以上を用意しましょう。
■上着とスラックス
長そでシャツにスラックスが定番です。
夏は強い日差しをよけるためにも、長そでシャツをおすすめします。
スラックスは膝のあたりに余裕があり、地のしっかりした破れにくいものを選んでください。
ぴったりしたジーンズなどは、足の疲れにつながりますし、
雨に濡れると乾きにくいので避けましょう。
季節を問わず、朝夕に冷え込んだ時のためにウールのセーターやフリースは必需品です。
ミズバショウや紅葉の時期は、ヤッケやフリースなどを用意しておきましょう。
またこの時期はズボンの下にウールタイツを1枚はいていると温かいでしょう。
雨の多い尾瀬では、雨具は必需品です。防水性、透湿性にとんだ素材のものを選びましょう。
ゴアテックス素材の雨具は着心地も良く、ヤッケ代わりにも使えるのでおすすめです。
リュックにはリュックカバーを用意しておきましょう。
ただ、風がない場合には、雨傘が有効ですので折たたみの傘を1本持っていきましょう。
尾瀬ヶ原を歩く時などは強い日差しに長時間さらされます。日除けのための帽子は必携です。
日差しが強いと襟首を焼いてしまうこともありますので、スカーフなどと組み合わせるなどの工夫をしましょう。
■下着・着替え
価格は少々高いですが、汗の吸収がよく、水分をすぐに蒸発させてしまう新素材機能のものを選びましょう。
着替えは、雨に濡れた場合を考えて一枚多めに用意しておきましょう。
また、ぬかるみにはまることもあるので、靴下はちょっと多めに用意しておきましょう。
■常備薬
すりむいたり、切り傷を負った場合だけではなく、靴擦れなどにも絆創膏は便利です。
日頃に飲み慣れた風邪薬、胃腸薬や、使い慣れた湿布などを用意しておくと安心です。
■その他
懐中電灯は夜中のトイレや、早朝に出発する場合、また、やむなく日が暮れてしまった時など重宝します。
両手が使えない場合を考えてヘッドランプだと、なお便利です。
地図は自分の歩いている位置を把握したり、コースの確認をするためには必須です。
また、尾瀬では自分で出したゴミは自分で持ち帰ります。ゴミを入れるビニール袋も必要です。
濡れたものや汚れものを入れるにも便利なので、多めに持参しておきましょう。
また、トイレチップに必要となりますので、小銭を多少用意しておくと良いでしょう。
尾瀬は15箇所の公衆トイレがありますが、山岳ルート上にはトイレが無いことが多いです。
できるだけ休憩ポイントで済ませておくとともに、携帯トイレを持っていくようにしましょう。
(出典:東京電力「尾瀬への招待状」>尾瀬のしおり)
尾瀬のしおり・・・2.入山にあたって
繊細で優しい風景がその特徴ではありますが、尾瀬は2,000メートル級の山々に囲まれた山岳地帯です。
ご自身の安全を確保するため、入山にあたってのルールを確認しておきましょう!
1. しっかり準備をして出かけましょう。
2,000m級の山々に囲まれた山岳地帯の尾瀬では、天候の急変やケガなど様々な事態が起こりえます。
自然の中で自分の身を守るのは自分だけ。「準備をしっかりと」などを参考に、支度を調えてから出かけましょう。
2. 時間的・体力的に余裕を持った行程を組みましょう。
余裕のない行程は事故の原因にもなります。「尾瀬へのアクセス」や「バーチャル散策」などを参考に、余裕を持った行程を組みましょう。
3. 木道は滑りやすいので、気をつけて歩いてください。
雨や露で濡れた木道は特に滑りやすくなります。「尾瀬の歩き方」を参考に、気をつけて歩いてください。
4. 倒木、落石など周囲の状況に気をつけて歩いてください。
自然の中を歩く時には、倒木、落石など、周囲の状況に気を配りながら、気をつけて歩きましょう。
5. ツキノワグマに注意してください。
尾瀬にはツキノワグマが生息しています。まずクマに出会わないように、また出会ってしまったときに適切な対応ができるよう、尾瀬保護財団のHP(http://www.oze-fnd.or.jp/)などから、情報を確認しておきましょう。
尾瀬のしおり・・・1.尾瀬に入る前のお約束
尾瀬の美しい自然は、多くの人のさまざまな努力によって保たれているものです。美しい自然に出会うために尾瀬を訪れるのなら、この自然をまもるためのマナーをしっかりと把握しておきましょう。
1. 湿原には踏み込まない
美しい自然に出会うために尾瀬を訪れるのなら、この自然をまもるためのマナーをしっかりと把握しておきましょう。
繊細な湿原を守るために、木道から外れて湿原に入らないようにしましょう。
休憩ベンチや木道沿いで休むときや、写真を撮る際にも湿原の中に足を置いたり、立ち入ってはいけません。
2. 木道は右側通行
木道は、基本的に右側通行です。譲り合って歩きましょう。
また通行中の歩きタバコもやめましょう。
3. ゴミは持ち帰る
尾瀬はゴミ持ち帰り運動発祥の地です。ゴミは全て自宅まで持ち帰りましょう。
4. 動植物は持ち込まない・持ち帰らない
尾瀬は国立公園特別保護地区および国の特別天然記念物に指定されており、
昆虫・草花の採取はもちろん、落ち葉や枯れ枝等を持ち帰ることも禁止されています。
また、尾瀬の生態系をまもるため、外来の動植物を持ち込まないよう気をつけましょう。入山口の「種子落としマット」などで靴の泥を落としたり、
衣服をはたいてから入山するなど、細かい心遣いが必要です。
ペットの持ち込みもやめましょう。
5. 山小屋は予約制。
混雑回避と自然への負荷軽減のため、尾瀬山小屋組合では平成4年から完全予約制を導入しています。
また入浴はできますが、石けん・シャンプーの使用は自粛となっています。
尾瀬を守る取り組み
【緑をまもる取り組み】
■木道を敷いています
尾瀬の自然をまもるためには、人が立ち入らないことが一番かもしれません。しかしそれでは尾瀬の美しさにふれることができませんし、その美しい自然をまもることの大切さも感じることもできません。
そこで、自然に与える影響を最小限に抑えながら、自然とふれあうことができるよう、尾瀬には木道が敷かれているのです。木道は、山間部を含めて尾瀬のほぼ全域をカバーしており、尾瀬国立公園全体では総延長約65kmに及びます。
東京電力では、群馬県内の所有地を中心に、約20kmの木道を敷設、維持管理しています。材料には、折れにくく水に強い国産のカラマツ材を使用していますが、湿原の中では10年前後で架け替えが必要となるため、毎年計画的に整備しています。
■荒廃した湿原の回復作業をしています。
標高1,969メートル、360度の大パノラマが広がるアヤメ平は、かつて「天上の楽園」とまで讃えられた美しい湿原で、昭和30年代の尾瀬ブームの時には、大勢のハイカーがおしかけました。その結果、湿原植物が踏み荒らされ、湿原を形成する泥炭層(動植物の枯死体が腐ることなく堆積したもの。尾瀬では1年に1mmしか堆積しないと言われている)がむき出しになり、あっという間に約1haの湿原が裸地化してしまったのです。
東京電力では、1964年(昭和39年)から、木道を設置して歩くルートを限定し、荒廃地の拡大防止に努めるとともに、1969年(昭和44年)からは積極的な湿原回復作業にのりだしました。荒廃した約1haのうち、0.9haについて東京電力で作業を行い、現在ではかなりの部分に緑が戻ってきています。
■種子落としマットを敷いています
尾瀬には、固有の珍しい植物が数多く生息しています。しかし近年、尾瀬の外から持ち込まれた植物(外来種)がふえ、元来生育していた植物(在来種)が追いやられてしまうおそれが出てきました。
そのため、靴についてきた植物の種子が尾瀬に持ち込まれることを防ぐため、東京電力では尾瀬の群馬県側の入山口すべてに種子落としマットを敷いています。
【尾瀬の木道エコペーパー】
■紙の原料として再利用
尾瀬の風景に欠かすことのできない木道。折れにくく水に強いカラマツを使っているとはいえ、厳しい自然環境にさらされ、また、多くの方が通行されるため、10年前後で架け替える必要があります。
これまで役目を終えた木道廃材は、尾瀬から搬出した後、産業廃棄物として処分していましたが、尾瀬の自然をまもっていた木道のライフサイクルを少しでも長くしたいと考え、これを紙の原料として利用するようになりました。
【水を守る取り組み】
■浄化槽を完備した公衆トイレを設置しています
尾瀬を訪れる人は誰も、その水の豊かさと清らかさに強い感動を覚えることでしょう。しかし、尾瀬には年間数十万ものハイカーが訪れるため、雑排水による水質の悪化が心配されることになります。
東京電力では、尾瀬に公衆トイレを7ヶ所設置してご利用いただいていますが、これらのトイレには、自然の川に劣らない水質まで浄化できるよう、浄化槽を完備しています。
【空気をまもる取り組み】
■太陽光発電を導入しています
尾瀬の灯りの多くは、ディーゼルによる発電でまかなわれています。東京電力は、環境に優しい新エネルギーの開発を進めていますが、尾瀬においても、東電小屋、富士見峠公衆トイレの2箇所に太陽光発電を導入し、CO2排出の少ない発電につとめています。
東電小屋の太陽光発電は最大9.4kWの発電能力があり、東電小屋で使用される電気の約2割をまかなっています。富士見峠公衆トイレのものは最大4.9kWの発電能力があり、トイレで使われるすべての電気をまかなっています。
■空気の熱でお湯を沸かすエコキュートを導入しています
尾瀬ヶ原の入り口、山の鼻にある至仏山荘は、空気の熱でお湯を沸かす給湯器エコキュートを導入しています。エコキュートは、従来の燃焼式給湯器に比べて大幅にCO2排出量を削減することができます。
尾瀬の歴史
■明治時代から続く尾瀬の歴史
1890年(明治23年)、平野長蔵氏が尾瀬沼岬に行人小屋を建てたことをもって尾瀬開山と言われていますが、古くから尾瀬には、上州(群馬県)と会津(福島県)を結ぶ交易路が通っており、尾瀬沼のほとりには交易所が設けられていたそうです。地名のいわれには平家落人伝説と関係があるものもあり、深い歴史ロマンを感じさせます。
■穏やかなものとはけっして言えない尾瀬の歴史
しかし尾瀬の歴史はけっして穏やかなものではありませんでした。有数の豪雪地帯であり水が豊富であったこと、2000m級の山に囲まれたお椀のような地形をしていたことから、1903年(明治36年)には尾瀬における水力発電計画が発表されました。当時は富国強兵のため、電力の増産は国を挙げての課題だったのです。この計画に基づき大正時代の電力会社(利根発電)が尾瀬の土地を買収したことが、尾瀬と電力会社との出会いとなりました。しかし、当時から尾瀬の自然はまもるべきであるという声が政府内にも存往したこと、また度重なる戦争の影響等もあり、尾瀬は開発されることなく昭和の時代を迎えました。
■尾瀬を訪れるハイカーが急増
昭和30年代後半ともなると、戦後の混乱はだいぶ収まり、人々の生活にも余裕が出てきました。そこで起こったハイキングブームと、名曲「夏の思い出」のヒットがあいまって、尾瀬を訪れるハイカーが急増したのです。今のように自然をまもる設備も人々のマナーも確立されていなかったため、尾瀬の自然は急速に荒廃してしまいました。しかし、関係者の地道な努力により、尾瀬は美しいその姿を取り戻し、今日に至っています。
(出典:東京電力「尾瀬からの招待状」>尾瀬の歴史)
尾瀬国立公園とは?
区域面積は37,200ha(うち日光国立公園からの分離が25,203ha、新規指定の会津駒ヶ岳、田代山・帝釈山の周辺地域が11,997ha)になります。東京電力は、尾瀬国立公園全体の約4割、特別保護地区の約7割の土地を所有しています。
■わが国29番目の国立公園、「尾瀬国立公園」
2007年(平成19年)、全国で29番目の国立公園として、※1尾瀬国立公園が誕生しました。
群馬・福島・新潟・栃木の4県にまたがり、雄大かつ繊細な自然が残ることで知られる尾瀬は、国立公園ならびに特別天然記念物に指定され、※2ラムサール条約の登録湿地でもあります。
※1:日本の宝でもあり、世界の宝でもある尾瀬。尾瀬は当初、1934年(昭和9年)に誕生した日光国立公園の一部であり、1953年(昭和28年)以降は国立公園特別保護地区として、法的に厳しく守られてきました。
2007年(平成19年)8月、会津駒ヶ岳及び田代・帝釈山周辺地域など、尾瀬地域と景観や植生の連続性があるエリアを新たに追加した上で、一つの国立公園として分離・独立したのです。わが国で国立公園が分離・独立したのは初めてのことであり、多くの関係者により保護活動が行われてきた尾瀬が、日本の国立公園のあり方を示すモデルケースとなることを期待されてのこととも言われています。
※2:国際的に重要な湿地を保護するための条約。159カ国が締約しており、日本からも釧路湿原や琵琶湖、尾瀬など37箇所が登録されています。(データは2010年2月時点)
■尾瀬の自然
12科18種類もあるんです。
尾瀬は気象条件や地形・地質が極めて複雑で、豪雪地帯でもあることから、日本でも有数の植物の宝庫となっています。
シダ植物以上の植物で約900種あるといわれていること、また、「オゼ」と名のつく植物が12科18種類あることなどからもその植生の貴重さがうかがえます。また、ほ乳類だけでも30種以上、鳥類は150種以上が確認されているそうです。
【ラムサール条約とは?】
■「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」
1971年(昭和46年)、イランのカスピ海湖畔にあるラムサールという町で、「湿地および水鳥の保全のための国際会議」が開催されました。そこで採択された条約が「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」通常「ラムサール条約」です。多様な生物を育む湿地は、非常に重要な資源でありながら、干拓や埋め立て等開発の対象になりやすく保護を図る必要性が高まっていたこと、また、湿地は渡り鳥や魚などの生物の移動を通じて、他国の生態系とつながっていることから、湿地を保護する国際的な条約が必要になったのです。
■湿地の生態系を維持しながら、資源を持続的に「賢明に利用」という原則
ラムサール条約の目的は、湿地の生態系を維持しながら、資源を持続的に「賢明に利用」(ワイズユース=wise use)することです。採択当初から「持続可能な利用(サスティナブルユース=sustainable use)」という原則で取り入れ、多国間環境条約の中でも先駆的な存在として知られています。それぞれの加盟国には、国際的に重要な湿地の管理者に研修を促すこと、国際協力を推進するすることなどが求められています。なお、当初は水鳥に注目した条約でありましたが、湿地の重要性に対する認識の高まりとともに、1999年(平成11年)の第7回会議において、広く生態系の保全に重要な湿地に対象を拡大し2005年(平成17年)までに登録数を倍増する目標を立てました。
2005年(平成17年)9月時点では、146カ国がラムサール条約に加入しており、登録された国際的重要湿地数は1,462件でしたが、2005年(平成17年)11月8日からウガンダで行われた第9回締約会議でさらに倍増しました。日本も、これまで釧路湿原や琵琶湖など13カ所の湿地が登録されていましたが、11月8日付で尾瀬を含む20カ所が新たに加わり、現在では37カ所の湿地が登録されています。
尾瀬の成り立ち
尾瀬は、2000mを越える山々で囲まれた盆地状の地形です。
その中で最も古い至仏山は、今から2億年以上前に地面が隆起してできたと言われています。尾瀬の成り立ちには諸説がありますが、数万年前に燧ケ岳の噴火により只見川や沼尻川がせき止められて、尾瀬ヶ原と尾瀬沼が誕生したと言われています。しかし、当時の尾瀬ヶ原は土砂で埋まった盆地でした。
泥炭層は、1cmほど堆積するのに10年の歳月がかかるのです。
■長い年月をかけて発達した尾瀬の低層湿原と高層湿原
やがて周囲の山々から土砂が流れ込み、川の両端に自然堤防が形成され、堤防に挟まれた水はけの悪い場所が湿地となり、水生植物が繁茂しました。この植物は低温のため枯れても完全に腐らず、水中に堆積し「泥炭層」を形成します。
「泥炭層」は、1年間に1ミリ弱しか堆積しません。気が遠くなるほど長い年月をかけて尾瀬の低層湿原は発達していったのです。そして、低層湿原には年月が経つにつれて酸性に強いミズゴケが侵入し始めます。ミズゴケは湿原の中央部ほどよく発育します。枯れたミズゴケは堆積して、「泥炭層」となって凸レンズ状に盛り上がり、高層湿原ができていったといわれています。
低層湿原:ミズバショウなどが生える 中層(中間)湿原:低層湿原が高層湿原になる過程の状態 高層湿原:ミズゴケが水面よりも盛り上がってきている湿原
■本州最大の高層湿原
尾瀬は東西6km、幅2kmにも及ぶ本州最大の高層湿原です。尾瀬ヶ原の中央部では、6000~7000年という長い年月をかけて、4.5~5mもの厚い「泥炭層」が堆積し、今の姿となっています。
■数千年以上の長い時間を要する大いなる自然の営み
もちろん、これらの湿原の発達は数年単位でできるものではなく、数千年以上の長い時間を要する大いなる自然の営みによるものです。いずれの湿原も、地下水などの水分によって維持されているため、人間が踏みつけたり、開発などの影響で地下水位が変化した場合失われてしまう危険性があります。湿原を踏み荒らすことのないよう、湿原の上には木道が整備され、人々が美しい自然を楽しみながらも、直接自然に影響を与えることのないよう工夫されています。
【湿原について】
■低層湿原から中間湿原を経て、最終的には高層湿原へと発達
湿原とは、低温で湿度が多いため、枯れた植物が分解されずに泥炭となって堆積している場所をさします。独特の生態系を持ち、水鳥の生息地としても重要な場所です。湿原は、時間の経過とともに姿をかえます。その変化には段階があり、低層湿原から中間湿原を経て、最終的には高層湿原へと発達していくといわれています。
■低層湿原と高層湿原の違い
低層湿原と高層湿原の違いの一つは、「泥炭」層を形成する植物にあります。最初に、泥の水辺に生えたヨシなどの背の高い植物が水底に堆積し、ヨシの「泥炭」層ができます。水中の「泥炭」層が厚くなり、水面まで積もった状態が低層湿原です。低層湿原には、地下水や流入水によって、常に水分が供給されています。しかし、ヨシの「泥炭」層が年月を経て盛り上がり、凸レンズのように中央部がたかくなると、地下水の水分では湿原を潤すことができなくなります。ここに、雨水だけでも育つことのできるミズゴケが増え、ミズゴケ「泥炭」層ができあがります。このような状態を「高層湿原」と言います。
尾瀬モデルコース
東京方面より尾瀬までの交通について
■JR利用の場合
上越線で沼田駅まで(特急で約2時間10分)または、上越新幹線で上毛高原駅まで(約1時間10分)。
いずれかを利用して各駅前からバスで戸倉(沼田駅から約1時間30分、上毛高原駅から約2時間)経由で大清水登山口へ、
また鳩待峠へは戸倉下車、戸倉からマイクロバスまたはタクシー利用(25分)で行かれます。
また、富士見峠へや戸倉から富士見下までバスまたはタクシーをご利用ください。(料金につきましては変動がありますので別途関係機関等へお問い合わせください。
■車利用の場合
関越自動車練馬I.C.から沼田I.C.まで約1時間30分。沼田I.Cから、国道120号線で鎌田まで約50分。
鎌田から国道401号線で戸倉まで約20分。戸倉から大清水まで約15分。鳩待峠まで約25分で行かれます。
なお、駐車場は大清水、鳩待峠、富士見下、戸倉にあります。
※鳩待峠から入山する場合は、混雑時は津奈木~鳩待峠間はマイカー規制が行われますので、戸倉の駐車場をご利用のうえ、タクシーで鳩待峠へ入っていただくことになりますので、確認の上、お出かけください。
なお、マイカー規制期間以外も戸倉から鳩待峠方面はマイカーの利用を自粛してください。
詳しくは、尾瀬保護財団>尾瀬に行くには?>アクセスをご覧ください。
(出典:群馬県片品村役場むらづくり観光課、片品村観光協会「尾瀬国立公園周辺案内図」 )
尾瀬の四季
■春
5月下旬から、尾瀬の代表的花、ミズバショウが咲き始めると本格的なシーズンになります。
尾瀬の山々も淡い緑に染まるころ、リュウキンカ、ザゼンソウ等高山植物が、次々と美しい花を見せてくれます。
5月から6月に咲く花々:ミズバショウ、ザゼンソウ・ショウジョウバカマ・ワタスゲ・リュウキンカ・チングルマ・タテヤマリンドウ・シャクナゲ・レンゲツツジ等
■夏
7月の声を聞くと尾瀬の春は終り広大な樹木帯は緑を一層濃くし、湿原には待ちくたびれたかのように、いろいろな花が咲きだし、特にニッコウキスゲなどの大群落が咲き競います。
また小鳥、蝶、トンボなど昆虫たちの楽園にもなります。
7月から8月に咲く花々:ニッコウキスゲ・ヒオウギアヤメ・カキツバタ・チングルマ・ワタスゲ・ハクサンチドリ・ヒツジグサ・オゼコウホネ・コバイケイソウ等
■秋
尾瀬の秋は、意外と早くやってきます。9月下旬からはじまる紅葉には、ナナカマドを始めとして周辺の草木が一斉に紅葉し、深い秋色に染まっていきます。
9月以降に咲く花々:ウメバチソウ・ミズギク・アキノリキンソウ・エゾリンドウ・オゼヌマアザミ等
■冬
11月中旬には、至仏山など尾瀬の山々は雪化粧を始め尾瀬は冬に入ります。尾瀬の登山口であるスノーパーク尾瀬戸倉や、ホワイトワールド尾瀬岩鞍・かたしな高原・丸沼高原・オグナほたか・武村牧場・サエラスキーリゾートなど7つのスキー場で雄大なスロープでのスキーが楽しめます。
※なお、冬期間の尾瀬の入山につきましては自粛してください。
(出典:群馬県片品村役場むらづくり観光課、片品村観光協会「尾瀬国立公園周辺案内図」 )
尾瀬の入山にあたって
1.動植物の保護
尾瀬は自然公園法の特別保護地区にまた、文化財保護法による特別天然物に指定されており、枯れ葉1枚、枯れ枝1本でも拾うことが禁じられています。尾瀬の自然を特徴づける湿原は、非常に弱いので木道から降りて自然を踏みつける事のないようご注意ください。また、ペットの持ち込みは野生動物の脅威や、伝染病等の恐れがあります。他の利用者の迷惑にもなりますのでやめましょう。
2.服装
尾瀬ヶ原は標高1,400m、尾瀬沼は1,665m、アヤメ平は1,960mで平地に比べると気温が8~12℃も低く、天候も変わりやすいので、セーター、ジャンバー、雨具をご用意ください。また、残雪期(6月下旬まで)は、スニーカーでは、危険です。
3.平日のご利用をおすすめします
尾瀬を訪れる人は、6月上旬のミズバショウ、7月下旬のニッコウキスゲ、10月上旬の紅葉、それも週末に集中しています。尾瀬をゆっくり楽しむために、平日にお越しください。
4.注意していただきたいこと
・尾瀬ではゴミの持ち帰り運動を行っています。ご協力をお願いします。
・木道は右側通行です。
・歩行中の喫煙は御遠慮ください。
・山小屋は予約性です。お早目にお申し込みください。
・キャンプの指定地は、山の鼻(至仏山荘)、見晴(燧小屋)、尾瀬沼キャンプ場の3か所です。それぞれの小屋で許可を取ってください。
・燧ヶ岳、アヤメ平付近は、6月下旬まで残雪がありますので、特にご注意ください。登山の際は「登山者カード」に御記入ください。至仏山は、例年雪解時から6月マツまで植生保護のため、入山の自粛をお願いします。
・山ノ鼻の至仏山頂(通称:東面登山道)は植生保護及び登山者の安全のため「上り」でのご利用をお願いします。
(出典:群馬県片品村役場むらづくり観光課、片品村観光協会「尾瀬国立公園周辺案内図」 )
















