仙郷からのお便り

「尾瀬に行かれるお客様へ」の記事一覧

尾瀬のしおり・・・3.服装と基本装備について

繊細で優しい風景が特徴の尾瀬ですが、山岳地帯であることにかわりなく、
天候の急変や防寒などの備えを怠らないようにしましょう。

■靴
山で一番重要なのは靴、という人もいるくらい、靴は重要です。
主として尾瀬ヶ原や尾瀬沼周辺を歩く場合は、防水性のあるウォーキングシューズがよいでしょう。
靴は履き慣れたものがいいですが、木道は雨や霧で濡れると滑りやすいので、
靴底がつるつるになっていると危険です。
入山口の峠周辺には、砂利道などもあるので靴底が厚くしっかりしたもので、
くるぶしの上まで包み込んでいるほうが、歩くときに安定感があって疲れにくいです。
2000m級の燧ヶ岳や至仏山に登る場合は、足元のしっかりしたトレッキングシューズ以上を用意しましょう。

■上着とスラックス

長そでシャツにスラックスが定番です。
夏は強い日差しをよけるためにも、長そでシャツをおすすめします。
スラックスは膝のあたりに余裕があり、地のしっかりした破れにくいものを選んでください。
ぴったりしたジーンズなどは、足の疲れにつながりますし、
雨に濡れると乾きにくいので避けましょう。

■防寒着

季節を問わず、朝夕に冷え込んだ時のためにウールのセーターやフリースは必需品です。
ミズバショウや紅葉の時期は、ヤッケやフリースなどを用意しておきましょう。
またこの時期はズボンの下にウールタイツを1枚はいていると温かいでしょう。

■雨具

雨の多い尾瀬では、雨具は必需品です。防水性、透湿性にとんだ素材のものを選びましょう。
ゴアテックス素材の雨具は着心地も良く、ヤッケ代わりにも使えるのでおすすめです。
リュックにはリュックカバーを用意しておきましょう。
ただ、風がない場合には、雨傘が有効ですので折たたみの傘を1本持っていきましょう。

■帽子

尾瀬ヶ原を歩く時などは強い日差しに長時間さらされます。日除けのための帽子は必携です。
日差しが強いと襟首を焼いてしまうこともありますので、スカーフなどと組み合わせるなどの工夫をしましょう。

■下着・着替え
価格は少々高いですが、汗の吸収がよく、水分をすぐに蒸発させてしまう新素材機能のものを選びましょう。
着替えは、雨に濡れた場合を考えて一枚多めに用意しておきましょう。
また、ぬかるみにはまることもあるので、靴下はちょっと多めに用意しておきましょう。

■常備薬
すりむいたり、切り傷を負った場合だけではなく、靴擦れなどにも絆創膏は便利です。
日頃に飲み慣れた風邪薬、胃腸薬や、使い慣れた湿布などを用意しておくと安心です。

■その他
懐中電灯は夜中のトイレや、早朝に出発する場合、また、やむなく日が暮れてしまった時など重宝します。
両手が使えない場合を考えてヘッドランプだと、なお便利です。
地図は自分の歩いている位置を把握したり、コースの確認をするためには必須です。

また、尾瀬では自分で出したゴミは自分で持ち帰ります。ゴミを入れるビニール袋も必要です。
濡れたものや汚れものを入れるにも便利なので、多めに持参しておきましょう。

また、トイレチップに必要となりますので、小銭を多少用意しておくと良いでしょう。
尾瀬は15箇所の公衆トイレがありますが、山岳ルート上にはトイレが無いことが多いです。
できるだけ休憩ポイントで済ませておくとともに、携帯トイレを持っていくようにしましょう。

(出典:東京電力「尾瀬への招待状」>尾瀬のしおり

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尾瀬のしおり・・・2.入山にあたって

繊細で優しい風景がその特徴ではありますが、尾瀬は2,000メートル級の山々に囲まれた山岳地帯です。
ご自身の安全を確保するため、入山にあたってのルールを確認しておきましょう!

1. しっかり準備をして出かけましょう。
2,000m級の山々に囲まれた山岳地帯の尾瀬では、天候の急変やケガなど様々な事態が起こりえます。
自然の中で自分の身を守るのは自分だけ。「準備をしっかりと」などを参考に、支度を調えてから出かけましょう。


2. 時間的・体力的に余裕を持った行程を組みましょう。
余裕のない行程は事故の原因にもなります。「尾瀬へのアクセス」や「バーチャル散策」などを参考に、余裕を持った行程を組みましょう。


3. 木道は滑りやすいので、気をつけて歩いてください。
雨や露で濡れた木道は特に滑りやすくなります。「尾瀬の歩き方」を参考に、気をつけて歩いてください。

4. 倒木、落石など周囲の状況に気をつけて歩いてください。
自然の中を歩く時には、倒木、落石など、周囲の状況に気を配りながら、気をつけて歩きましょう。

5. ツキノワグマに注意してください。
尾瀬にはツキノワグマが生息しています。まずクマに出会わないように、また出会ってしまったときに適切な対応ができるよう、尾瀬保護財団のHP(http://www.oze-fnd.or.jp/)などから、情報を確認しておきましょう。

(出典:東京電力「尾瀬からの招待状」>尾瀬のしおり

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尾瀬のしおり・・・1.尾瀬に入る前のお約束

尾瀬の美しい自然は、多くの人のさまざまな努力によって保たれているものです。美しい自然に出会うために尾瀬を訪れるのなら、この自然をまもるためのマナーをしっかりと把握しておきましょう。

 

1. 湿原には踏み込まない

美しい自然に出会うために尾瀬を訪れるのなら、この自然をまもるためのマナーをしっかりと把握しておきましょう。
繊細な湿原を守るために、木道から外れて湿原に入らないようにしましょう。
休憩ベンチや木道沿いで休むときや、写真を撮る際にも湿原の中に足を置いたり、立ち入ってはいけません。

 

2. 木道は右側通行
木道は、基本的に右側通行です。譲り合って歩きましょう。
また通行中の歩きタバコもやめましょう。

 

3. ゴミは持ち帰る

尾瀬はゴミ持ち帰り運動発祥の地です。ゴミは全て自宅まで持ち帰りましょう。

4. 動植物は持ち込まない・持ち帰らない

尾瀬は国立公園特別保護地区および国の特別天然記念物に指定されており、
昆虫・草花の採取はもちろん、落ち葉や枯れ枝等を持ち帰ることも禁止されています。
また、尾瀬の生態系をまもるため、外来の動植物を持ち込まないよう気をつけましょう。入山口の「種子落としマット」などで靴の泥を落としたり、
衣服をはたいてから入山するなど、細かい心遣いが必要です。
ペットの持ち込みもやめましょう。

 

5. 山小屋は予約制。

混雑回避と自然への負荷軽減のため、尾瀬山小屋組合では平成4年から完全予約制を導入しています。
また入浴はできますが、石けん・シャンプーの使用は自粛となっています。
 

(出典:東京電力「尾瀬からの招待状」>尾瀬のしおり

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尾瀬を守る取り組み

【緑をまもる取り組み】

■木道を敷いています

尾瀬の自然をまもるためには、人が立ち入らないことが一番かもしれません。しかしそれでは尾瀬の美しさにふれることができませんし、その美しい自然をまもることの大切さも感じることもできません。

そこで、自然に与える影響を最小限に抑えながら、自然とふれあうことができるよう、尾瀬には木道が敷かれているのです。木道は、山間部を含めて尾瀬のほぼ全域をカバーしており、尾瀬国立公園全体では総延長約65kmに及びます。

東京電力では、群馬県内の所有地を中心に、約20kmの木道を敷設、維持管理しています。材料には、折れにくく水に強い国産のカラマツ材を使用していますが、湿原の中では10年前後で架け替えが必要となるため、毎年計画的に整備しています。

 

■荒廃した湿原の回復作業をしています。

標高1,969メートル、360度の大パノラマが広がるアヤメ平は、かつて「天上の楽園」とまで讃えられた美しい湿原で、昭和30年代の尾瀬ブームの時には、大勢のハイカーがおしかけました。その結果、湿原植物が踏み荒らされ、湿原を形成する泥炭層(動植物の枯死体が腐ることなく堆積したもの。尾瀬では1年に1mmしか堆積しないと言われている)がむき出しになり、あっという間に約1haの湿原が裸地化してしまったのです。

東京電力では、1964年(昭和39年)から、木道を設置して歩くルートを限定し、荒廃地の拡大防止に努めるとともに、1969年(昭和44年)からは積極的な湿原回復作業にのりだしました。荒廃した約1haのうち、0.9haについて東京電力で作業を行い、現在ではかなりの部分に緑が戻ってきています。

 

■種子落としマットを敷いています

尾瀬には、固有の珍しい植物が数多く生息しています。しかし近年、尾瀬の外から持ち込まれた植物(外来種)がふえ、元来生育していた植物(在来種)が追いやられてしまうおそれが出てきました。

そのため、靴についてきた植物の種子が尾瀬に持ち込まれることを防ぐため、東京電力では尾瀬の群馬県側の入山口すべてに種子落としマットを敷いています。

 

【尾瀬の木道エコペーパー】

■紙の原料として再利用

尾瀬の風景に欠かすことのできない木道。折れにくく水に強いカラマツを使っているとはいえ、厳しい自然環境にさらされ、また、多くの方が通行されるため、10年前後で架け替える必要があります。
これまで役目を終えた木道廃材は、尾瀬から搬出した後、産業廃棄物として処分していましたが、尾瀬の自然をまもっていた木道のライフサイクルを少しでも長くしたいと考え、これを紙の原料として利用するようになりました。

 

【水を守る取り組み】

■浄化槽を完備した公衆トイレを設置しています
尾瀬を訪れる人は誰も、その水の豊かさと清らかさに強い感動を覚えることでしょう。しかし、尾瀬には年間数十万ものハイカーが訪れるため、雑排水による水質の悪化が心配されることになります。

東京電力では、尾瀬に公衆トイレを7ヶ所設置してご利用いただいていますが、これらのトイレには、自然の川に劣らない水質まで浄化できるよう、浄化槽を完備しています。

 

【空気をまもる取り組み】

■太陽光発電を導入しています

尾瀬の灯りの多くは、ディーゼルによる発電でまかなわれています。東京電力は、環境に優しい新エネルギーの開発を進めていますが、尾瀬においても、東電小屋、富士見峠公衆トイレの2箇所に太陽光発電を導入し、CO2排出の少ない発電につとめています。

東電小屋の太陽光発電は最大9.4kWの発電能力があり、東電小屋で使用される電気の約2割をまかなっています。富士見峠公衆トイレのものは最大4.9kWの発電能力があり、トイレで使われるすべての電気をまかなっています。

 

■空気の熱でお湯を沸かすエコキュートを導入しています

尾瀬ヶ原の入り口、山の鼻にある至仏山荘は、空気の熱でお湯を沸かす給湯器エコキュートを導入しています。エコキュートは、従来の燃焼式給湯器に比べて大幅にCO2排出量を削減することができます。

 

 

(出典:東京電力「尾瀬からの招待状」>尾瀬を守る取り組み

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尾瀬の歴史

■明治時代から続く尾瀬の歴史

1890年(明治23年)、平野長蔵氏が尾瀬沼岬に行人小屋を建てたことをもって尾瀬開山と言われていますが、古くから尾瀬には、上州(群馬県)と会津(福島県)を結ぶ交易路が通っており、尾瀬沼のほとりには交易所が設けられていたそうです。地名のいわれには平家落人伝説と関係があるものもあり、深い歴史ロマンを感じさせます。

■穏やかなものとはけっして言えない尾瀬の歴史

しかし尾瀬の歴史はけっして穏やかなものではありませんでした。有数の豪雪地帯であり水が豊富であったこと、2000m級の山に囲まれたお椀のような地形をしていたことから、1903年(明治36年)には尾瀬における水力発電計画が発表されました。当時は富国強兵のため、電力の増産は国を挙げての課題だったのです。この計画に基づき大正時代の電力会社(利根発電)が尾瀬の土地を買収したことが、尾瀬と電力会社との出会いとなりました。しかし、当時から尾瀬の自然はまもるべきであるという声が政府内にも存往したこと、また度重なる戦争の影響等もあり、尾瀬は開発されることなく昭和の時代を迎えました。

■尾瀬を訪れるハイカーが急増


昭和30年代後半ともなると、戦後の混乱はだいぶ収まり、人々の生活にも余裕が出てきました。そこで起こったハイキングブームと、名曲「夏の思い出」のヒットがあいまって、尾瀬を訪れるハイカーが急増したのです。今のように自然をまもる設備も人々のマナーも確立されていなかったため、尾瀬の自然は急速に荒廃してしまいました。しかし、関係者の地道な努力により、尾瀬は美しいその姿を取り戻し、今日に至っています。

 

(出典:東京電力「尾瀬からの招待状」>尾瀬の歴史

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